ホリプロ会長やJASRAC理事ら、「コンテンツに必要なのは流通ではない」と主張

12月9日に「JASRACシンポジウム2008」が行われた。このイベントはドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏やエイベックス・グループ・ホールディングス取締役の岸博幸氏、ホリプロ代表取締役会長兼社長CEOの堀義貴氏、JASRAC常務理事の菅原瑞夫氏など、コンテンツ業界に関わる「重役」が集まり、コンテンツ業界の今後について議論を交わすものなのだが、ここで行われた参加者の発言が興味深い。

CNET Japan に掲載されているリポート記事によると、参加者の発言は

  • コンテンツの流通促進を促すという政府姿勢は間違っている
  • 無料のコンテンツにしか接しない人が増えているのは遺憾だ
  • 「日本版フェアユース」や「ネット法」は決してうまくいかない
  • 「デジタルコンテンツの流通」は公益ではない

など、YouTubeやニコニコ動画、そして現在のWebでの無料コンテンツ配信サービスなどを完全に否定する発言ばかり。コンテンツ制作会社などが集まるということで、もう少し「コンテンツ配信のネットの有効利用」といった話がされるのではと思っていたのだが、正直期待はずれだった。結局、大手コンテンツホルダーは現状の「厚利多売」のコンテンツ流通モデルを維持したい、というだけなのかと思ってしまう。消費者の趣味嗜好が多様化し、コンテンツも有料無料を問わず増えた現在、「厚利多売」はこれからは続かないと思うのだが……。

ちなみに、弁理士の 栗原潔 氏は Twitter で「JASRACはまさにネット権(音楽版)なのにJASRACのイベントでネット権を批判する皮肉」などと感想を述べている。

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