来たぜ変態デジカメGXR

 リコーが、「ユニット交換式」なるデジカメを発表しました(デジカメWatchの記事)。最近はパナソニックのDMC-G1/GH1/GF1や、オリンパスのE-P1など、レンズ交換式ながらコンパクトなデジカメが人気なので、その路線に向かおうとしたけど独自性を出そうとしたら斜め上に行っちゃった感がたまらな過ぎる製品ではないでしょうか。

RICOH GXR+カメラユニットGR LENS A12 50mm F2.5 MACRO

RICOH GXR+カメラユニットGR LENS A12 50mm F2.5 MACRO

 コンパクトデジカメの市場は飽和気味でもう需要が一段落しているという状況のなか、買い替え需要を促す目新しい新機能というのもなかなか作り出せないわけで、じゃあ「より上を目指す」初心者〜中級者に向けたモデルを出そう、というのが近年各社がこぞって「コンパクト一眼」をリリースする理由であり、DMC-GF1とかE-P1とかは「カメラに興味のある20代後半〜男性」に見事にヒットしちゃってる感があります。ただ、どこのメーカーも「女性向け!」とか言っている割りには女性が持っているのを見たことがない。自分の友人でカメラ持ってる女性は一眼レフのエントリモデルか、GR/GXなどの「本格コンデジ」を使っている人が多く、逆にGF-1とかE-P1は「デジタルモノに強い男性」が持っている感じ。あとは比較的若い人も一眼レフのエントリ機を使っている気がする。

 実際、一眼レフのエントリ機っていまかなり安く買えて、逆にGF-1とかE-P1のほうが高いんですよね。そしてこの辺の「コンパクト一眼」って、一般人には仕様がいまいち分かりにくい。EVFってなんだよ! フラッシュなくて大丈夫なの? F値ってなに? とか、一般人が店頭でスペック見てよく分からないわけで、(とりあえず外見は)昔からある、アナログな感じで分かりやすそうで値段も安い一眼レフに行っちゃうという構図な気がします。

 で、GXR。変形合体ロボ的なデザインといい、よく分からないユニット交換式といい、まず一般女性をターゲットとしない戦略にほれぼれします。ユニットによって画像処理エンジンまで異なるなんて、一般人にはまず理解できない仕様や、プロジェクタやストレージ、プリンタなどのユニットまでコンセプト化するあたりもカオス。だって、このデジカメを買う人はよっぽどの数奇者ですよ? プリンタとかプロジェクタとか、わざわざ汎用的でないものを買うとは思えないし、ストレージだって数GBノメモリカードを数百円で買えるこのご時世に、わざわざ別途必要とは思えん。

 ただ、価格としてズームレンズ付きユニットが4万円前後ということで、「高級コンデジ」というジャンルのモデルとして考えれば魅力的な製品である気も。発売されてからの反応が楽しみなところです。