記事一覧:2020年05月03日

macOSでGhostscriptをビルドする

 PostScriptやPDFを扱う際にほぼ必ず出てくるGhostscriptですが、公式サイトにはmacOS向けのバイナリが見当たりません。ということで、自前でビルドする手順 のメモです。

 なお、GhostscriptのmacOS向けバイナリとしてはRichard Koch氏によって配布されているものもあるのですが、最新版はHigh Sierra以降向けでSierra環境では利用できません。また、brewコマンドでもインストールできますが、個人的にbrewコマンドをあまり使いたくない、という理由で自前でビルドしています。

 Ghostscriptのソースコードは、公式サイトのダウンロードページから入手できます。ダウンロード後、適当なディレクトリに展開しておきます。

必要な依存ライブラリ

ビルドには以下のライブラリが必要です。

 このうち、libpng、lcms、jbig2decはダウンロードしたアーカイブを展開して./configure;make;make installというおなじみの手段でビルド&インストールが行えます(一部はfreetypeとlibjpegのようにソースツリー内に展開するだけで一緒にビルドできるようなのですが未確認)。

 freetypeとlibjpegについては、アーカイブをGhostscriptのソースコードを展開したディレクトリ(ソースツリーのトップディレクトリ)に展開し、そのディレクトリ名を「freetype」および「jpeg」に変更しておくことで自動的にビルドされます。

 また、gxpsのビルドにはJPEG XRのサポートが必要なようなので今回は無効にしました。ということでGhostscript自体のconfigureオプションは次のようになります。

$ ./configure --without-xps

 あとはmakeコマンドを実行するとgsコマンドがビルドされ、「make install」で/usr/local/bin以下にgsコマンドがインストールされます。

 また、libgsが必要な場合、「make so」コマンドを実行するとバイナリがビルドされ、「make soinstall」でそれらをインストールできます(詳しくはbase/unix-dll.makを参照)。