macOSでGhostscriptをビルドする
PostScriptやPDFを扱う際にほぼ必ず出てくるGhostscriptですが、公式サイトにはmacOS向けのバイナリが見当たりません。ということで、自前でビルドする手順 のメモです。
なお、GhostscriptのmacOS向けバイナリとしてはRichard Koch氏によって配布されているものもあるのですが、最新版はHigh Sierra以降向けでSierra環境では利用できません。また、brewコマンドでもインストールできますが、個人的にbrewコマンドをあまり使いたくない、という理由で自前でビルドしています。
Ghostscriptのソースコードは、公式サイトのダウンロードページから入手できます。ダウンロード後、適当なディレクトリに展開しておきます。
必要な依存ライブラリ
ビルドには以下のライブラリが必要です。
- libpng(http://www.libpng.org/pub/png/libpng.html)
- littleCMS(lcms、http://www.littlecms.com/download.html)
- jbig2dec(https://jbig2dec.com)
- libjpeg(http://www.ijg.org)
- freetype(https://www.freetype.org/download.html)
このうち、libpng、lcms、jbig2decはダウンロードしたアーカイブを展開して./configure;make;make installというおなじみの手段でビルド&インストールが行えます(一部はfreetypeとlibjpegのようにソースツリー内に展開するだけで一緒にビルドできるようなのですが未確認)。
freetypeとlibjpegについては、アーカイブをGhostscriptのソースコードを展開したディレクトリ(ソースツリーのトップディレクトリ)に展開し、そのディレクトリ名を「freetype」および「jpeg」に変更しておくことで自動的にビルドされます。
また、gxpsのビルドにはJPEG XRのサポートが必要なようなので今回は無効にしました。ということでGhostscript自体のconfigureオプションは次のようになります。
$ ./configure --without-xps
あとはmakeコマンドを実行するとgsコマンドがビルドされ、「make install」で/usr/local/bin以下にgsコマンドがインストールされます。
また、libgsが必要な場合、「make so」コマンドを実行するとバイナリがビルドされ、「make soinstall」でそれらをインストールできます(詳しくはbase/unix-dll.makを参照)。